日本医学会分科会利益相反会議

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議事要旨

日本医学会COIマネージメント研修セミナー

研究活動における信頼性確保のための取組

袖山 禎之(文部科学省高等教育局医学教育課長)

 高血圧症治療薬に係る事案の発生を受けて、厚生労働省では再発防止策等を「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」において議論を重ね、来年度秋までを目処に法制度に係る検討を進めることや、「臨床研究に係る倫理指針」の見直しを図るなどといった内容の中間とりまとめを平成25年10月に公表した。
 文部科学省においては、様々な研究における不正行為等が同時期に社会的な問題となったことを踏まえ、「研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース」を設置し、平成25年9月に中間とりまとめを公表した。また、併せて、「研究機関における公的研究費の管理・監査に係るガイドライン」の改正を行い、平成26年度から運用を開始する予定としている。
 今後、各大学は、臨床研究の自主点検を実施するとともに、これらの中間とりまとめや各種ガイドライン・指針等に沿って、研究不正の再発防止に向けて取り組みを進めることを期待したい。
 また、大学に対する社会的信頼を維持・確保するため、教職員の活動が法令違反に至ることを事前に防止するため、さらに教職員が安心して産学官連携に取り組むために、利益相反に関する大学あるいは研究機関としてのルール・システムを整備することは何よりも重要である。平成25年4月時点で、附属病院を持つ大学のうち、臨床研究に係る利益相反ポリシーが整備されていない機関は2割を超えているため、早急な取組をお願いしたい。

スライド資料(PDF/1.59MB)