第1回日本医学雑誌編集者会議（JAMJE）ならびにシンポジウム：シンポジウム
ICMJE統一投稿規定の概要と臨床試験登録
木内貴弘（東京大学医学部附属病院大学病院医療情報ネットワーク研究センター教授）
国際医学雑誌編集者会議（International Committee of Medical Journal Editors）は、医学学術雑誌への論文投稿規定の標準化を目指して、統一投稿規定の作成・改訂を続けてきた。現在では。原稿の形式、著者と研究貢献者、編集の自由、利害衝突、著者と査読者の秘密保護、研究知見に関する訂正・撤回・懸念表明、余剰投稿、広告等の多岐に渡る事項を取り扱う、詳細かつ具体的な規定に発展した。統一投稿規定は、当初は引用文献の書誌情報等の投稿形式から着手されたが、現在では論文の公正な投稿・査読・公表の指針等の研究倫理的な規定に重点が移っている。また、かつての禁止的な規定を主体としていた、情報開示を主体とする考え方に変わってきている。臨床試験登録の義務化は、ICMJME統一投稿規定の一環として実施され、近年の大きな臨床医学のトピックとなった。臨床試験登録には、出版バイアスの防止、後付解析の予防のほか、情報公開による研究の質の向上、市民への臨床試験参加への情報提供等の効果がある。現在、ICMJE傘下以外の多くの一流医学雑誌にも広がっている。
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