日本医学雑誌編集者会議 Japanese Association of Medical Journal Editors

トップページへ戻る

議事要旨

第4回日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)・第4回シンポジウム:シンポジウム

ICMJEのガイドライン

中山健夫(京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野教授)

 医学研究の倫理には、研究対象者保護を扱う狭義の“research ethics”と研究の公正さを問う“research integrity”がある。後者は「科学・研究活動への誠実さと真実、公正な良き科学活動」を意味し、“scientific misconduct(不正)”が主題となる。不正は研究で得られた知見を伝える局面、すなわち論文執筆を通じて問題が顕在化しやすいため、“research integrity”は学術論文の執筆・出版を巡る倫理として言及されることが多い。国際医学雑誌編集者会議(International Committee of Medical Journal Editors;ICMJE 新しいウィンドウが開きますhttp://www.icmje.org/)が1979年に初版を発表した「生物医学雑誌の統一投稿規程(統一投稿規程)」は、30年あまりに渡って論文執筆形式の枠組みに留まらない出版倫理、そして“research integrity”の諸課題とその対応策を提示している。しかし、国内の医学関係学会における統一投稿規定の採用はまだ限定的である。今後、より多くの研究者の間で統一投稿規定が認知され、国内の学術論文執筆・出版倫理の向上に向けた機運がさらに高まっていくことが期待される。

新しいウィンドウが開きますスライド資料(761KB)