日本医学雑誌編集者会議 Japanese Association of Medical Journal Editors

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議事要旨

日本医学会臨床部会利益相反委員会ならびに日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)合同シンポジウム:シンポジウム

COI申告制とその管理のあり方

平井昭光(レックスウェル法律特許事務所所長)

 COIは,医学会を含むアカデミアの世界に存在するいくつかの規範のひとつであるが,規定を定めてある行為をしてはいけないといった禁止のルールとは大きくその性格を異にする.ある意味では,コンプライアンスやガバナンスという考え方に近いものであって,コンサルテーションや「共に考える」という要素を基礎に据えるものである.
 このCOIにおいては,透明性と説明責任が極めて重要であり,透明性を支えるのが申告制である.そして,その申告制は,医師や研究者の方から全ての生のデータを申告してもらい,それを全て公開するという単純なものではなく,一定のレベルを超えるinterestを申告してもらい,その申告を基礎としてCOI委員会で議論を行い,組織としての説明責任を果たしていこうとするものである.いわば,大人の知恵によって,生のデータを説明責任に転化する仕組みがCOIということができよう.
 このような申告については,なぜ情報を提供する必要があるのかわからない,といった警戒や誤解がつきものであるが,申告することによって,自らの研究行為にバイアスがないことを,つまりは説明責任を国民に向けて果たしていくものであることをご理解いただきたいと願う次第である.

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