日本医学会臨床部会利益相反委員会ならびに日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)合同シンポジウム:シンポジウム
国内学会におけるCOI管理のあり方
―日本癌学会におけるCOIマネージメント体制構築を例として―
河上 裕(慶應義塾大学医学研究科先端医科学教授,
日本癌学会利益相反委員会委員長)
日本癌学会では,平成20年から利益相反管理体制の構築を開始した.日本臨床腫瘍学会と日本癌治療学会が合同で策定した「がん臨床研究の利益相反に関する指針」を使用し,それに日本癌学会独自の細則を作成した.平成21年には独立した利益相反委員会を設置し,その位置付けと役割を明確にし,2年間を試行期間として,臨床研究における利益相反管理を開始した.
学会における利益相反管理では,役員,総会等での発表者,機関雑誌の著者における利益相反管理が主となる.日本癌学会では,現在,基礎研究を含めた利益相反管理など,種々な項目(対象・範囲,開示項目と基準,申告期間など)に関して見直しており,細則を改訂中である.
今後,日本癌学会では,さらなる会員への教育や利益相反開示状況のモニタリング,時代に対応した規則の見直しなどにより,利益相反状態を適切に管理し,研究成果を社会へ十分に還元できる体制を整備していく方針である.
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