研究倫理教育研修会

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議事要旨

第1回研究倫理教育研修会

医学研究と倫理

河上  裕(慶應義塾大学医学研究科委員長)

 最近、日本では基礎研究と臨床研究の両方で、研究不正や臨床試験実施法などで研究倫理に問題がある事例が明らかになり、社会的にも問題となっている。研究不正は信頼性の問題であり、米国ではOffice of Research Integrity(ORI)で扱われる。医学研究では、医師や研究者の職業倫理を超えた社会倫理としての生命倫理(Bioethics)、研究倫理が重要である。
 第2次世界大戦時の人体実験に対応した「ヘルシンキ宣言」、米国での非倫理的な医学研究に対応した「ベルモントリポート」など、被験者保護を中心として、倫理性、科学性、信頼性を担保する医学研究の倫理が確立され、GCP等の臨床試験ガイドラインが設定されてきた。日本では、2014年に「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」が作成された。日本医学会分科会を含む学会では、医学研究倫理を遵守するために、倫理教育の実施、また問題が発生した場合に倫理委員会等が迅速かつ適切に対処できる体制を整えておく必要がある。

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