研究倫理教育研修会

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議事要旨

第1回研究倫理教育研修会

あらためて研究倫理とは何か~医の倫理との異同を考える

橳島 次郎(東京財団研究員)

 研究倫理とは、医学者という高度の専門職にある者が守るべき、職業倫理である。職業倫理とは、社会において、専門職の自律が認められ、信頼されるための基盤である。
 医の倫理も、同じく職業倫理であるが、一人一人の患者に対し、医師として対しているか、研究者として対しているかによって、それぞれの役割に応じ従うべき倫理も異なる。医療と研究を分け、後者は前者よりも、より厳しい規範(第三者委員会による事前審査など)に従うことが求められる。それが、ヘルシンキ宣言等に示された、現代の医学研究倫理の最も基本的な精神である。
 本講演では、このような視点から、研究倫理のなかみについて、医の倫理や技術倫理といった隣接の倫理規範との異同を考慮しつつ、原理的なポイントをおさえてみたい。

【参照文献】
橳島次郎『生命科学の欲望と倫理 科学と社会の関係を問いなおす』(青土社、2015)

スライド資料(PDF/1.55MB)