研究倫理教育研修会

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議事要旨

第7回研究倫理教育研修会

個人情報保護法について

吉田雅幸(東京医科歯科大学生命倫理研究センター長)

 令和2、3年度の個人情報保護法の改正によって、学術研究機関等に対する考え方が精緻化され、医療行為を主たる目的とする事業者は学術研究機関等には該当しないとの見解(改正個情法第16条第8項関係の個情委資料より)が示されたことにより、国内の多くの医療機関で実施されている観察研究において、オプトアウトによる研究実施が困難となる深刻な懸念が生じた。
 この懸念に対して日本医学会連合研究倫理委員会では、個人情報保護委員会に意見書などを提出し、結果としてこのような医療機関については、学術研究に係る適用除外は用いられないが、公衆衛生の向上に資するという観点から適用除外が可能となるとの解釈を得た(個人情報保護委員会事務局「個人情報の保護に関する法律についてのQ&Aの更新」令和4年5月26日)。しかしながら、「研究への関与は医師の基本的責務の一つである」(医師の職業倫理指針 第3版)からも、医療機関についても学術研究機関としての該当制について、個人情報保護委員会に対してさらなる解釈変更を促す必要があると思われる。

スライド資料(PDF/1.67MB)