日本医学会分科会利益相反会議

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議事要旨

第4回日本医学会分科会利益相反会議

日米欧製薬協の企業依頼臨床試験にかかる論文公表について

稲垣  治(日本製薬工業協会医薬品評価委員会委員長)

 臨床試験は医療機関および患者さんの協力を得て進められるもので、その試験結果は社会の財産と考えられる。また都合のよい結果だけの恣意的活用や、すでに結論が出ている臨床試験の繰り返しによる患者さんへの無意味な負担などを無くすべく、日米欧の製薬団体は合同で「Joint Position」を作成し、企業が依頼する臨床試験の内容および結果の開示を進めている。具体的には、試験開始時に内容をWebに登録・公開するとともに、試験終了後には結果の要約も登録・公開している。さらに、結果の良し悪しに関わらず、広く世の中に知らしめるべく、論文投稿することを求めている。なお、製薬協のコード・オブ・プラクティスでも、科学的根拠に基づき正確、公平かつ客観的な資料であることを会社として確認、保証することを求めている。
 従来から公開試験情報には、臨床試験の実施者名とともに試験費用の出所も明記することになっていたが、今回の抗高血圧薬の臨床研究をめぐる問題より、臨床試験の透明性をさらに高めるべく、製薬協としてアカデミアの臨床研究のサポートの方法について検討を進めている。

スライド資料(PDF/768KB)