前川 平(京都大学医学部附属病院輸血細胞治療部教授)
122分科会のCOI指針策定はさらに上昇した。ほとんどの学会でCOI委員会の設置や指針の策定はなされており、COIに関するファーストステージとしては目的を達しつつある。しかし、製薬協の「透明性ガイドライン」の会員への周知がまだ不十分であることに代表されるように、寄附金や研究費の開示の在り方もまだ議論が尽くされていない。
加えて、学術集会発表時のCOI開示が筆頭者のみで良いのか、製薬企業主催セミナーなどにおけるCOI開示、学術雑誌におけるCOI開示の現状と国際基準のギャップ、さらにCOI自己申告書の調査方法や懲罰規定を含めた具体的な運用と学会員に対する教育をどのように実施してゆけばよいか、また日本医学会への多くの要望など、議論の必要な事項が山積している。なかでも学会が主導するかたちで、若手を含めた各学会構成員に対する教育をどのように実施してゆくかが、今後喫緊の課題になると考えられる。
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