日本医学会分科会利益相反会議

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議事要旨

第5回日本医学会分科会利益相反会議:シンポジウム

製薬企業による研究機関への研究支援とその在り方

田中 徳雄(日本製薬工業協会常務理事)

 新薬の研究開発を目指す企業として産学連携は欠かせません。臨床試験の実施者である医療機関と連携を取りながら、研究開発を進めています。医療機関には、開発治験や製造販売後臨床試験等に取り組んでいただきますので、当然その対価をお支払いします。その時点で「利益相反状態(COI)」になります。なにも利益相反状態が悪いのではなく、利益相反状態から生じる弊害が問題です。その弊害回避のマネージメントが強く求められています。
 製薬協は2008年から医療機関との金銭の流れを明確にする透明性ガイドラインの作成に着手し、2013年より公開を始めました。更には今後研究費開発費等の詳細公開も予定しています。
 また、治験等の企業が委託する臨床試験だけでなく、研究者主導の臨床研究についても、昨年の4月に会員会社へ(1)自社の医薬品に関する臨床研究に対する資金提供等の支援は契約により実施すること。(2)奨学寄附金は本来の趣旨に則り適切に提供することとし、今後自社医薬品に関する臨床研究に対する資金提供の支援方法としては用いないこと。の旨の通知文を発出しました。
 業界の自主規制ではありますが、更なる高い透明性の追求と倫理観あふれる取組みを展開していきます。

スライド資料(PDF/1.86MB)