小島多香子(日本医学会利益相反委員会委員)
医学雑誌編集者国際委員会(ICMJE)が誕生して40年以上が経過した。当時、参考文献の掲載方法の統一を目標とした「生物医学雑誌の投稿のための統一規定」(現:ICMJE Recommendations)は、時代の変化にあわせ、COI開示方法の統一を重視するようになった。COIに関する提言は数年ごとに改訂を行っているが、特に2013年版では大幅な改訂が行われている。最新の2019年版では、COIを意図的に開示しないことは不正行為の一つである、とCOIの開示については「著書の責任」であることを明確に示している。
また、2010年に初めて作成されたICMJE COI開示申告の統一書式は、potential COIの表現が誤った解釈や開示へ繋がるとし、2021年の改訂版でrelationships/activities/interestsを追記して、よりわかりやすい開示、研究の透明性の重要性を強調している。ICMJEのCOI開示に対する考え方の変遷をICMJE RecommendationsおよびCOI開示申告書に焦点を当てながら振り返る。
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