日本医学会分科会利益相反会議

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議事要旨

第7回日本医学会分科会利益相反会議:シンポジウム

Institutional COIの管理:現状と課題

苛原  稔(全国医学部長病院長会議臨床研究・利益相反検討委員会委員長)

 医学系研究機関における利益相反(COI)は研究者個人に存在するばかりでなく、研究組織自体にも存在し、組織COI(Institutional Conflict of Interest :iCOI)と呼ばれる。
 研究機関自体が持つ企業・営利団体との経済的な関係だけでなく、個人的な利害関係を持つ上級職が自ら所属する研究機関の利益を優先して意思決定を行うことにより、研究成果のバイアスや患者リスクを高まる状況が発生するため、臨床研究の客観性確保、産学連携活動に関する情報の透明化、研究機関や個人の保護、社会からの信頼性確保を目的として、iCOIは個人COIと同様に適正に管理されるべきである。
 iCOIが個人COI管理より難しい理由は、研究機関のCOIは実に多岐にわたり複雑であるためである。そこで全国医学部長病院長会議は、2018年に「医学系研究機関における組織COI管理ガイダンス」を公表して、iCOIの管理の在り方の基本的となる対応とし、iCOI管理方針の明示と研究機関執行部から独立したiCOI委員会の設置を提言している。

スライド資料(PDF/390KB)