田中 徳雄(日本製薬工業協会常務理事)
製薬協がCOIに関してこの10年近く取組んできたことを発表する。
1999年に起こった「ゲルシンガーさんが被害に会われた事件」を契機に、世界中が一斉に、利益相反、COI問題に舵を切ったことは、ご承知の通り。利益相反自体が悪いということではない。利益相反状態から生じる「弊害の回避」が重要である。そのために製薬協では2008年より、当時の世界の状況や、日本医学会や各団体での取組みを充分に参考にし、資金提供の公開(透明性GL)を検討した。
もちろん、製薬協だけで公開できたわけではない。日本医学会、日本医師会、全国医学部長病院長会議を始めとする先生方との間で「COI問題協議会」を数度開催いただき、関係者全員のご理解とご協力のもと、公開にたどり着けた。
公開後も、すべての会員会社がWEB上での公開や、研究費開発費等の個別詳細公開、更には臨床研究法の対応と様々な取組みを行った。透明性の確保に課題があるとするのなら、「資金を提供する側、受ける側の双方の公開」が必要である。その観点から、今後も透明性GLの改訂を検討していく。
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