日本医学会分科会利益相反会議

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議事要旨

日本医学会COIマネージメント研修セミナー

「人を対象とした医学系研究」(仮称)に関する倫理指針(案)について

藤原 康弘(国立がん研究センター執行役員/企画戦略局長)

 本講演では、現在、厚労省・文科省等合同で開催されている臨床研究と疫学研究それぞれの倫理指針を統合した医学系研究の指針についての現状での論点を、2014年2月26日に公表された指針の文案等をもとに紹介する。新指針は9章で構成されており、第1章総則(含む 用語定義;「侵襲」と「介入」の定義が最も論議を生んでいる)のあと、研究者等(研究者、研究責任者、研究機関の長)の概括的な責務を第2章で記載。具体的な手続きは、第3章以降の各章に記載されている。
 主な改正点は案段階ではあるが、1)倫理審査委員会の委員及びその事務に従事する者に「あらかじめ倫理的な観点及び科学的観点からの審査等に必要な知識を習得するための教育・研修を受けなければならない。」としたこと。2)これまであった付議不要のトラックを削除し、迅速審査に組み込んだこと。3)研究に関連すると判断された「予測できない重篤な有害事象」を研究責任者は研究計画を登録しているデータベースに当該情報を登録しなければないとされていること(2014年5月1日の第11回会議にて当該登録はされないことになった)。4)そして、デイオバン事案を受けて設けられた第8章「研究成果の信頼性確保」において、医薬品又は医療機器の有効性又は安全性に関する研究を実施する場合、研究責任者は研究計画に定めたモニタリング(品質管理)及び監査(品質保証)の実施を義務づけられていることである(同日会議にてモニタリング、監査が必要なのは「侵襲(軽微な侵襲を除く)を伴う研究であって介入を伴うもの」と変更された)。

スライド資料(PDF/2.60MB)