森山 寛(全国医学部長病院長会議顧問)
森山です。ご講演をいただいた先生方ならびにご司会の先生方に御礼を申し上げます。共催の全国医学部長病院長会議を代表して、閉会のご挨拶をさせていただきます。
ディオバンすなわちバルサルタン事件に関しましては、2002年から臨床試験がスタートしたわけなのですが、その頃にはこうしたCOIに関しての環境があまり整備されていないとか、企業側の問題等、いろいろな状況がありました。しかしながら、私は大学側、特に研究責任者の責任は非常に重いというように認識をしています。
遅ればせながら、2013年11月に全国医学部長病院長会議として、COIマネージメントのガイドラインを出させていただきました。このガイドラインには曽根三郎先生はじめ、東京医科歯科大学名誉教授の宮坂信之先生にもご協力をいただきました。目的とするところは、先ほどのコメントにもありましたように、規制するのではなくて、いかにうまくマネージメントをして日本の臨床研究を活性化するかという視点ではないかと思います。臨床研究をはじめ、医学系の研究の大半を担っている大学におきまして、ルールづくりとか、あるいはシステムの構築はもちろんですが、倫理的な側面の研修ならびに教育は非常に大事だと思いますので、私どももそこを徹底していきたいと思っています。
2008年に文部科学省から臨床研究の倫理指針が出されました。全国医学部長病院長会議も、本年2月に臨床研究のガイドラインの作成にも着手しました。これは先ほどの苛原先生ほか、曽根先生にもご協力いただいて、国公私立の先生方ともども、同ガイドラインの作成をしていきたいと思っています。
いずれにいたしましても、日本の臨床研究の透明性・信頼性の確保、それから産学連携の活性化に向けて努力したいと思っています。本日はどうもありがとうございました。