医学用語辞典(英和)第3版について

日本医学会 医学用語辞典 英和 改訂第3版 日本医学会医学用語管理委員会編
定価:14,700円(本体14,000円+税5%)
発行:南山堂(TEL:5689-7855)
ISBN978-4-525-01423-0

第三版編集方針について

改訂第3版は、日本医学会の事業として医学用語管理委員会により編纂されたわが国の標準ともいうべき医学用語集です。第3版はとくにMeSH(Medical Subject Headings), UMLS(Unified Medical Language System)にも照らし世界水準の用語の適合を目指しています。また日本医学会分科会の協力を得て各分科会の選定用語を広く採用し、整理・統合した集大成であり、かつ最新の医学用語を採り入れました。
本辞典が医学界で広く利用され、教育、研究、医療などの実際に役立つことが期待されています。今回は辞書にCD-ROMを添えましたので、医師、医院、公的機関、図書館等で広くご活用下さい。

日本医学会は1991年に「医学用語辞典 英和」を、また1994年に「医学用語辞典 和英」を刊行、さらに2001年に英和第2版を刊行、医学用語辞典の発行は日本医学会のもっとも重要な事業の1つとなった。さらに今回改訂英和第3版を刊行することとなった。今回の第3版の刊行に際しては、開原成允日本医学会医学用語管理委員会委員長を中心とする委員の方々の大変なご尽力によって、大幅な改訂が行われた。その内容については、開原委員長によって詳しくご紹介されると思うので簡単に述べると、まず第1にあげられることは、この医学用語辞典が日本医学会医学用語管理委員会編の医学用語辞典英和第2版で採用された用語を基準としながらも、国際的な基準とくに米国国立医学図書館が編集するMedical Subject Headings(MeSH) (2006年版)を参考にして用語の選定を行ったことがあげられる。また、日本医学会分科会から推薦された用語を選定の参考にしたことは言うまでもない。さらに第2版の用語の中で重複のあるもの、また現在殆ど使われていない用語をとり除くようにした。このような形で用語を選定した結果、今回の改訂第3版に採用した用語は第2版と比較すると約1万2千語が削除されている。

改訂第3版で採用したことの一つに、シソーラスの方式を目標としたことがあげられる。シソーラスについては開原委員長から具体的に説明されると思うのでここでは省略するが、シソーラス方式は用語辞典の編集にあたって当然採用すべき方式であり、その意味でも改訂第3版は国際的な基準に合致した辞典であるといえよう。また改訂第3版で新しく取り入れたことの1つに推奨語の決定がある。従来から同じ医学英語でも分科会によって翻訳の日本語が異なっていたため、従来の版では複数の日本語訳をつけていた。しかし改訂第3版では英語に対応する日本語が複数ある場合には、優先的に使用すべき日本語を推奨語と決定し、医師国家試験の出題などに際して、受験者が混乱しないような努力を払った。推奨語の選定は、医学中央雑誌の抄録の収集にあたって、より広く用いられている用語を優先すると共に、一般社会で使用されている医学的用語との融合性も念頭においている。当然のことながら推奨語以外の日本用語も、改訂版では推奨語にひきつづいて記載されている。改訂第3版の刊行に際してその発行が、2007年に大阪で開催される第27回日本医学総会に間に合うよう医学用語管理委員会の方々にご尽力をいただいた。

改めて、開原委員長を中心とする日本医学会医学用語管理委員会委員の方々、日本医学会分科会用語委員会委員の方々のご貢献に心から感謝の意を表したい。

2007年3月

日本医学会長
髙久 史麿

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