日本医学雑誌編集者会議 Japanese Association of Medical Journal Editors

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議事要旨

第2回日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)総会・第2回シンポジウム:総会

臨床試験の事前登録の義務化:経緯・現状について

木内貴弘(東京大学医学部附属病院大学病院医療情報ネットワーク研究センター教授)

 文部科学省と厚生労働省による臨床研究に関する倫理指針が、平成21年4月から施行された。これにより、侵襲を伴う介入を実施する臨床研究については、事前に臨床試験登録をしないと倫理指針違反になることになった。倫理指針違反の臨床研究を実施しないようにするチェックは、基本的には各施設の倫理審査委員会が実施することになっているが、制度移行直後のため、何らかの形でチェックをすり抜けた臨床研究の論文が各雑誌に投稿される可能性がある。このため、投稿された臨床研究について臨床試験登録がなされているのか、学会誌として確認する仕組みを作る必要がある。そうしないと、倫理指針違反の臨床研究を誤って出版してしまう可能性がある。また平成21年4月よりも前に始まってしまった臨床研究についても、倫理指針上の規定はないが、研究の早い段階での臨床試験登録を各雑誌で要求することが望ましい。