日本医学雑誌編集者会議 Japanese Association of Medical Journal Editors

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議事要旨

第7回日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)総会・第7回シンポジウム:総会

利益相反委員会の取り組み

曽根 三郎(日本医学会利益相反委員会委員長)

 日本医学会利益相反委員会は2010年に設置され、産学連携にかかる医学研究の健全化を目的に「日本医学会 医学研究のCOIマネージメントに関するガイドライン」を2011年に公表し、産学連携に取り組んでいる分科会は100%近くがCOI指針を策定し、会員が論文や講演などでの発表においてreporting biasが生じないよう、関係する企業との金銭関係の透明化を図り、社会から疑惑を招かない仕組み作りが行われている。
 そのような背景の中で、2013年度は、バルサルタンを用いた医師主導大規模臨床試験疑惑問題が発生し、多額の寄附金受入に関するCOI申告違反だけにとどまらず、企業雇用者の恣意的なデータ操作による研究不正疑惑が浮上し、医学研究の質と信頼性を揺るがす事件となった。その結果、国際誌での公表論文の撤回、研究責任者の辞職へと発展し、産学連携の在り方についても多くの疑問を投げかけた。その後も不適切な産学連携による臨床研究事案が報道され、臨床研究そのものの信頼性が損なわれている。このような事態を受け、全国医学部長病院長会議は「医系大学、研究機関、病院のCOI(利益相反)マネージメントガイドライン」を平成25年11月に公表した。日本医学会も再発防止を図るために、COIマネージメントガイドラインの見直しを行い、企業からの役務提供も含めて利害関係のより一層の透明化を確保するため、平成26年2月に改定版を公表した。また、研究倫理、出版倫理の面から研修教育にも平成25年度から研修セミナーを開催し、啓発活動を開始している。
 一方、医学研究のグローバル化が急速に進んでいることを踏まえて今後、日本医学雑誌編集者組織委員会との連携により、現在のCOI申告様式をICMJEの様式へと整合性を図っていく予定である。

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