日本医学雑誌編集者会議 Japanese Association of Medical Journal Editors

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議事要旨

第8回日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)総会・第8回シンポジウム:シンポジウム

学術情報オープン化と論文のエビデンスとしての研究データの公開について

余頃祐介(科学技術振興機構(JST)知識基盤情報部研究成果情報グループ主査)

 わが国の政府は「科学技術基本計画」を策定し、これに沿って科学技術政策を推進している。第4期(平成23年度~平成27年度)では「オープンサイエンス」の推進が謳われ、公的資金による研究に由来する論文のオープンアクセスが進められた。第5期(平成28年度~平成32年度)では、このオープンアクセスに「研究データ」も含めた「オープンサイエンス」が推進されている。オープンサイエンスにより、次の効果が期待されている。(i)分野を越えた研究データの利活用が促進され、新たな知見が創出される。(ii)研究の過度の重複を避けることによる研究費の効率的な活用。(iii)論文のエビデンスとしての研究データを公開することによる研究の透明性の確保。
 効率的・効果的にオープンサイエンスを推進するためには、論文や研究データ等のすべての研究成果にデジタル識別子(DOI)を登録し管理する仕組みが必要となる。既に欧米諸国では、CrossrefやDataCiteなどのDOI機関により、研究成果へのDOI登録が進められている。このような状況下、わが国に特有の研究環境に適したDOI登録を行うため、平成24年にジャパンリンクセンター(JaLC)というDOI登録機関を設立した。JaLCは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立情報学研究所(NII)、国立国会図書館(NDL)が共同で運営している。書籍、論文、研究データ、eラーニング等をDOI登録対象とし、平成28年度末時点で約360万件のDOIを登録している。

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