日本医学雑誌編集者会議 Japanese Association of Medical Journal Editors

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議事要旨

第10回日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)総会・第10回シンポジウム:シンポジウム

医学分野におけるプレプリントをめぐる動向

林 和弘(日本医学雑誌編集者組織委員会委員/科学技術・学術政策研究所上席研究官)

 ジャーナル等に投稿する前の草稿であるプレプリントの共有は昔から行われており、インターネットの進展によって、世界中に迅速に共有できる時代になった。プレプリントサーバー自体には30年以上の歴史があり物理・情報系を中心に利用が浸透していたが、COVID-19によって医学系領域においても一気に注目を集め、世界的な社会課題解決のためなど、プレプリントならではの価値の提供ができるようになった。
 プレプリントの利活用の是非は立場によって変わり、大まかには、研究者(情報発信)としては積極的かつ戦略的に利用し、読者(受信)としては、リスクを理解した上で慎重に取り扱うべきものである。また、プレプリントの進展は、査読を含む学術雑誌と原著論文を中心とした研究者のエコシステムのあり方に一石を投じており、オープンサイエンスが指向する科学と社会の変容を駆動するものである。

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