第11回日本医学雑誌編集者会議（JAMJE）総会・第11回シンポジウム：シンポジウム

　査読制度には引き受け手の不足、バイアスの存在、実態のない自称査読誌の横行など、様々な問題が存在している。諸問題の背景には査読者名が著者に明かされない、査読レポートが一般公開されないこと等に代表される、査読が「不透明さ」を抱えた仕組みであることがある。そこで査読をより透明にしようという「オープン査読」の取り組みが近年、現れている。
　何をオープンにすべきかにも様々な意見があるが、特に注目されているのは査読者名の公開と、査読レポートの公開である。また、オープン査読とも関連する試みとして、公開された論文に他者がコメントができる「出版後査読」の試みも現れてきているが、その中には査読を通過・掲載済みの論文にコメントできる場合と、査読前の段階で公開された論文にコメントができる場合の2様式がある。本講演ではオープン査読、出版後査読それぞれについて実例を踏まえつつ、メリット・デメリットや論点を整理していく。

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