第12回日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)総会・第12回シンポジウム:シンポジウム
AI利用の普及に対する医学雑誌編集者団体の対応
中山健夫(京都大学大学院医学研究科教授)
2023年初頭からの生成AIの世界的な普及は、学術情報の在り方にも大きな課題を提示している。国際医学雑誌編集者会議(ICMJE)のRecommendationsでは2023年5月の改訂でAIについて以下のように言及している。
- 投稿の際、学術誌は著者にAI支援技術(大規模言語モデル、チャットボット、画像クリエーターなど)の使用について開示を求める。
- 使用した著者はカバーレターと投稿論文の両方に、どのように使用したかを記述する。
- チャットボット(ChatGPTなど)は、論文の正確性、完全性、独創性に責任を持てないので、著者として記載すべきではない。
- AI支援技術を用いた投稿原稿等の責任は人間が負う。
- 著者は、完全な引用を含め、すべての引用資料の適切な帰属を保証する。
(注・講演収録後、Recommendationsが2024年1月に改訂が追加された)
World Association of Medical Editors (WAME)、Committee on Publication Ethics (COPE) 、International Society for Medical Publication Professionals (ISMPP)も同様の声明を発出しており、今後も生成AIの動向と学術出版の国際的ルールの対応を注視していく必要がある。
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