第14回日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)総会・第14回シンポジウム:シンポジウム
AI時代の医学研究
山本 憲(日本医学雑誌編集者組織委員会委員/順天堂大学健康データサイエンス学部教授)
2025年から2026年にかけ、学術界における生成AIの扱いは「検出・禁止」から「利用方法の明示・開示」へと大きく変化した。ICMJEやSTM出版社協会などの主要団体からガイドラインが相次いで改訂・発出され、AIを著者と認めないことや、正確性・独創性に対する最終責任は人間が負うべきであるという原則が明確化されている。現状、論文執筆や査読へのAI関与は増加しており、査読者の50%以上が報告書の作成などにAIを利用しているとの調査結果もある。
これを受け、出版社側も未発表原稿の修正提案や文献検索を行う専門ツールを提供し始めている。今後の課題は、機密情報の保護や透明性の担保である。AIは研究者の影響力を拡大させる一方で、科学の焦点の縮小や、人間同士の触れ合いの減少といった懸念も指摘されている。リスクを抑制しつつ便益を最大化するためには、人間中心の理念に基づいたAIリテラシーの向上が不可欠である。
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