日本医学雑誌編集者会議 Japanese Association of Medical Journal Editors

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議事要旨

日本医学会臨床部会利益相反委員会ならびに日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)合同シンポジウム:シンポジウム

社会の目から見る「利益相反」

永山悦子(毎日新聞科学環境部記者)

 研究をめぐる金のやりとりを明らかにする必要があるのか.医療の発展に伴って多くの治療の選択肢が広がり,患者が適切な判断をする材料として注目されているといえるだろう.そもそも臨床研究には民間も含めた費用が必要という前提を理解しつつ,外から眺めた印象では,公表されていない情報は「後ろ暗く」見え,「金にはヒモがついているのでは」との疑念を生じやすい.
 利益相反にかかわる取材では,十分な説明を得られない場合,相手に対する疑義が膨らむことが何度もあった.その背景には,情報公開に関するルールがないことがあるように感じた.まず「金のやりとりは原則公開」とし,公開を促すルールを作るべきだろう.一方,国民の側も研究開発の資金の意義を知り,適切な公開を求める冷静な目を養うことが求められる.もちろん,情報公開した研究者や組織が「得」をする仕組みも必要だろう.そのインセンティブやペナルティーの根拠についても,国民レベルで議論を始めるときだ.

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