J. Patrick Barron(東京医科大学名誉教授)
今回、日本の医学会でCOIのマネージメントがどのようになされているか、どういう問題があり、どういった対策が取られているかを調べるため、118の分科会向けにアンケートを作成した。ほぼ100%の分科会より回答いただけたことは、JAMSのご協力のおかげと感謝している。
アンケート結果から浮き彫りになったことは、COI制度そのものは、日本医学会利益相反委員会委員長の曽根三郎徳島大学名誉教授のおかげで2009年より急速に浸透し導入されるようになってきているが、内容を詳細にみると、分科会全体として統一性を欠いており、各分科会が取るべき対策について苦慮していることが分かった。そのため、分科会全体として委員会を立ち上げ、問題発生時には英国のCOPE(出版倫理委員会)のように、判断を下すのではなく、助言を与えるような組織を作ることが大切だと思う。また、米国のAMA Manual of Styleのような調べやすく使いやすいガイドラインの整備も喫緊の課題だと痛感した。
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