日本医学会ガイドライン

日本医学会 診療ガイドライン策定参加資格基準ガイダンス公表の理由

1990年代半ばより、根拠に基づく医療の提供を目的に、診断、治療、予防にかかる診療ガイドラインが学会を中心に策定され、国内外において数多く公表されている。最近、診療ガイドラインの質だけでなく、信頼性をより一層確保するための提案がいくつか公表されている。特に、診療ガイドラインの信頼性を担保するための取り組みについては、欧米での関心は非常に高く、診療ガイドライン参加者に対するCOI管理が進みつつある。一方、我が国では、日本医療機能評価機構に設置されているMindsガイドラインセンターが診療ガイドライン作成の手引書2014を公表しているが、COI管理の具体策については踏み込んだ提案をしていない。

診療ガイドライン策定にかかる委員のCOI状態については社会の関心が高く、講演料・執筆料、寄附金受け入れ額との関連でしばしば新聞紙上をにぎわしている。昨年3月には、心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)の策定にかかる参加者のCOI管理について、薬害オンブズパースン会議から公開質問状がプラザキサ販売企業並びに関連3学会の長に寄せられた。多くの臨床系分科会は、診療ガイドラインを公表していることを踏まえて、日本医学会は、各分科会が策定する診療ガイドラインの質だけでなく、社会の理解を得て信頼性をより一層高めるために、日本医学会 診療ガイドライン策定参加資格基準ガイダンス案を策定し、126分科会にコメントを求めて最終案を作成した。

留意した点として、

  1. COI自己申告書(様式)は、日本医学会COI管理ガイドラインと同一とした。なお、組織COI管理として、所属する研究機関、部門・センター、講座などの長にかかるCOI状態の開示も求めた。
  2. 参加者のCOI状態の深刻度を判断するための金額区分をそれぞれの項目について設定した。それぞれの金額区分は、診療ガイドラインの持つ重要性と参加者の責務の重さを考え、米国FDA Advisory Committeeメンバー、米国NIHスタッフ、海外学会、厚労省薬事審議会委員などのCOI自己申告書例を参考に設定を行った。
  3. 当ガイダンスは、各分科会の診療ガイドライン策定に関わる者のCOI管理手順を例示したものであり、各分科会の長が最終的に責任を持って対応することとした。
    例えば、各分科会は組織形態や運営方法、分科会の置かれている特殊要因が異なることや、余人をもって代えがたしの人材(深刻度の高い状態)も当然に想定されることから、説明責任を果たすことにより、CPG策定委員、委員長に就任することも可能とする内容としている。
  4. 当ガイダンスの記載で不明な点が指摘されれば、Q&Aの中で説明する方針としている。
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