日本医学雑誌編集者会議 Japanese Association of Medical Journal Editors

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議事要旨

第1回日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)ならびにシンポジウム:シンポジウム

雑誌の評価:Impact Factorと新しい指標

根岸正光(国立情報学研究所教授)
北川正路(東京慈恵会医科大学学術情報センター係長)

 近年、大学、研究機関等において、所属研究者の研究業績に対する評価を組織的に行う例が広がりつつあり、その際の「客観的」指標として、IF(Impact Factor;衝撃係数)を安易に用いる場合も多いようである。IFは、元来、雑誌の重要度指標として考案されたもので、収録論文の平均的引用度を表すものである。したがって、研究者個々人の業績評価には関連論文ごとの引用度調査が必要で、IFをこれに用いるのは「誤用」といえる。
 本講では、IFの計算法とその注意点を解説し、そのうえで、最近現れてきたIF以外の論文引用度関連指標について紹介する。IFはThomson Reuters社の引用索引データベースに基づくものであるが、近年、その他の論文引用情報データベースが構築されるようになり、これらを用いた論文数、引用数、ダウンロード数等を用いた統計分析、評価指標の考案、サービス・システムの開発も行われつつある。これはBibliometrics(計量書誌学)と称する研究分野を形成しており、特に欧州で活発である。
 ともあれ、雑誌編集者の立場からは、こうした各種の評価指標に目配りしつつ、好成績を得られるような「良い」論文を集めることが肝心であり、本講がその方策への示唆を与えることになれば幸いである。

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