お知らせ

診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案
-第二次試案-
に対するコメント

 今回、厚生労働省から公表された「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する第二次試案」は、医師法21条に基づく警察への報告に関連した医療現場での混乱を回避するために検討されたもので、その方向性は「日本医学会加盟19学会の共同声明(平成16年9月30日)」に一致したものであり、その意義は評価できるものである。特に、新しい制度に基づく届出と医師法21条に基づく届出のあり方を整理するとしている点、調査手順を明瞭に述べている点、裁判外紛争処理の必要性を述べている点、等が評価される。しかし、この第二次試案にはいくつかの問題点があり、その点を以下に記述すると共に日本医学会(臨床部会)として提案するものである。

  1. 診療関連死の届出を義務化し、それを怠った場合には何らかのペナルティを科するとするならば、その対象を明確にする必要がある。第二次試案では、診療関連死の範囲については、現在の医療事故情報収集等事業の「医療機関における事故等の範囲」をふまえて定めるとされているが、未だその範囲が具体化していない。早急に明確かつ医療の現場が納得する診療関連死の範囲を定める必要がある。

  2. 事故調査委員会における専門家の役割を明確にし、その判断を以後の審査において尊重することを明記すべきである。診療関連死の届出を最初に受けた事故調査委員会では、まず医学的に事故調査委員会で調査すべき症例かどうかの判断を行い、その結果に基づいて事故調査委員会での審査を開始する二段組の仕組みを作るべきと考える。そうすることによって現場で予測される混乱を避けることが可能になる。

  3. 事故調査委員会は医療従事者、法律関係者、医療受給者ならびに提供者の立場を代表する者で構成されるべきである。

  4. 「行政処分は、委員会の調査報告書を活用し、医道審議会等の既存の仕組みに基づいて行う」と明言されているが、今後これらの仕組みについても見直しの必要性があるものと考える。

  5. 事故調査委員会の報告書を民事紛争および刑事手段への活用については、慎重な検討が望まれる。
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