日本医学会臨床部会会議

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議事要旨

第2回日本医学会臨床部会会議:議事録

1. 挨拶

(髙久日本医学会長)

 前回会議の後に、臨床部会運営委員会と3つの作業部会(診療関連死、専門医制、公益法人)が設置されたので、その活動報告を行う。また冒頭に厚生労働省の佐藤研究開発振興課治験推進室長から厚生労働科学研究費について説明をされるので、よろしくお願いする。

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2.厚生労働科学研究費へのご理解とお願い

(佐藤研究開発振興課治験推進室長)

 厚生労働行政はさまざまな問題を抱えている。例えば少子高齢化、疾病構造の変化、社会の変化、国民ニーズの多様化・高度化、産業振興等、これら的確に対応した行政への要求を実施していく上には、適切な科学的根拠に立脚した行政施策の必要性、エビデンス収集のための国立研究機関等における研究実施、産官学の協力に基づく知見の創出が重要視される。このために厚生労働科学研究費が重要になってくる。
  一方、国の施策として「革新的医薬品・医療機器創出のための5カ年戦略」を平成19年4月に策定し、平成20年5月に改定し、世界最高水準の医薬品・医療機器を国民に提供する、医薬品・医療機器産業を日本の成長牽引役にすることで6つの施策を出し、さらに産官学ということで、官民対話を打ち出した。
  また、近年、日本の臨床研究の実力向上を世界から見てみると、基礎研究の論文は世界第3位であるが、臨床研究の論文は世界第18位とあり、日本の臨床研究の強化が最大の課題と言える。この実力向上のために、厚生労働科学研究費を活用できないかと思うところである。
  厚生労働科学研究の流れとしては、専門家や行政ニーズに基づく課題を設定し、公募→研究→学術的成果、社会・経済への貢献、行政施策への反映→最終的には国民の健康水準の向上を目指すことになる。今年度の医政局の厚生労働科学研究費は医薬品・医療機器等の研究開発事業に133億円を計上し、基礎研究より応用研究に比率を多くしている。近年の応募状況は、平成17年度をピークに下降している。臨床研究の向上のためにこの研究費を活躍していただきたい。研究事業の1年の流れは、厚生労働省HPに掲載しているが、11月~12月に公募し、2~3月に評価・採択、3月に採択通知、4月に交付申請、6月に交付・研究実施、3~4月に研究報告提出。詳細は、厚生労働省のホームページhttp://www.mhlw.go.jpを参照いただきたい。
  なお、各学会で厚生労働省科学研究費の紹介・活用のお誘いをしていただきたい、また各学会でこの件の紹介する場があればご一報いただきたい。ご説明に伺いたい。

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3.臨床部会運営委員会委員長挨拶

(門田委員長)

 昨年6月に第1回日本医学会臨床部会会議を開催した。以降、活動の機動性を高めるため、運営委員会(名簿参照)を設置した。運営委員会は、基本領域10学会とSubspecialty2学会から構成し、臨床系の学会で課題になっている懸案を討議することを目的にした。本日は、1年間の活動報告を行い、ご意見をいただきこれからの方針を検討したいと思う。

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4.日本医学会臨床部会運営委員会の報告

(門田委員長)

 第1回臨床部会運営委員会(平成19年8月24日開催)では、出月副会長(当時)の下、運営委員会のミッションは何か、どのように行動するかをフリートーキングした。第1回委員会終了後、門田委員長(日本外科学会)、池田副委員長(日本内科学会)が選出された。
 臨時日本医学会臨床部会運営委員会(平成19年10月30日開催)では、「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案-第二次試案-に対するコメント」を公表した。その内容については、日本医学会ホームページ(http://jams.med.or.jp/news/004.html)「お知らせ」に掲載されている。これは日本医学会加盟の19学会が平成16年9月に共同声明を発したことによる。コメントには医療安全調査委員会設置の方向性について、基本的には賛成であるが、問題点も指摘している。
 第2回臨床部会運営委員会(平成19年11月12日開催)では、「学会における公益法人について」を、今村日本医師会常任理事に説明いただき、「医師法21条について」は、髙本東京大学大学院医学系研究科教授にお話しいただいた。また、「今後の運営委員会の進め方」について、意見交換をし、緊急性のある課題として、3つの作業部会を設置した。すなわち、診療関連死に関する作業部会(山口作業部会長)、専門医制に関する作業部会(八木作業部会長)、公益法人に関する作業部会(池田作業部会長)である。
 第3回臨床部会運営委員会(平成20年2月8日開催)では、「臨床研究の倫理指針に関する検討について」、新木厚生労働省医政局研究開発振興課長から説明があった。その他の議事として、「学会における公益法人について」、「診療関連死に関する作業部会まとめ:診療関連死の第三者機関について」が検討された。
 第4回臨床部会運営委員会(平成20年6月5日開催)では、「医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案-第三次試案-に関する日本医学会の見解」を作成し、日本医学会ホームページ(http://jams.med.or.jp/news/007.html)「お知らせ」に掲載した。また、「臨床研究に関する倫理指針について」、新木厚生労働省医政局研究開発振興課長から説明があった。
 第5回臨床部会運営委員会(平成20年7月31日開催)では、「臨床研究における被験者の保護と倫理の確保」に関する声明を作成し、ホームページに掲載した。また、平成20年7月28日に開催した「診療関連死の死因究明制度創設に係る公開討論会」について、終了後の意見交換を行った。
 第6回臨床部会運営委員会(平成20年10月8日開催)では、主に本会議の打ち合わせを行った。

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5.診療関連死に関する作業部会の報告

(山口作業部会長)

 議論の大半は、第三次試案を含めた新しい死因究明制度をどう対応するかに費やされた。
  第1回診療関連死に関する作業部会は、平成20年1月30日に開催した。厚生労働省が平成19年10月に発表した「診療行為に関連した死亡の死因究明制度の在り方に関する試案-第二試案-」の問題点等を、厚生労働省からの現状説明として、岡本参事官、佐原医療安全推進室室長から聴講し、意見交換をした。髙久日本医学会長から次の4つの提言が出された。(1)医療安全調査委員会には、患者側代表ではなく市民代表を入れていただきたい。(2)診療関連死の判断基準を明確にしていただきたい。(3)警察届出の重大な事故の基準を明らかにしていただきたい。(4)医師の自律的な処分制度の設立を視野に入れていただきたい。その後、厚生労働省は本年4月に第三次試案を発表した。これらを受けて、第4回臨床部会運営委員会(H.20.6.5)が開催され、門田委員長から報告されたように「「医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案-第三次試案-に関する日本医学会の見解」を公表し、同日に記者会見を行った。その内容は、見解にあるとおり、厚生労働省提案の死因究明制度の設立には日本医学会は基本的に賛成するが、問題点がある。なお、第三者機関が設置された際には協力を惜しまないことを表明した。
  平成20年7月28日には、「診療関連死の死因究明制度創設に係る公開討論会」を開催。個人的に反対するという声が大きくあり、マスコミは混迷と報道したが、現場の声として早く創設をという意見であった。それらを踏まえ臨床部会運営委員会では、第三者機関設置の推進の方向性が示された。
  第2回診療関連死に関する作業部会は、平成20年8月21日に開催した。その際には、足立信也参議院議員、梅村 聡参議院議員から民主党案の説明をいただき、また医療の良心を守る市民の会代表の永井裕之氏から意見をいただいた。また、日本産婦人科学会、日本集中治療学会、日本脳神経外科学会からの意見をいただき。日本医学会としては、第三者機関設置に変わりないことを確認した。厚生労働省は6月に「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案」を公表している。大綱案は今後の国会の動きに影響されるが、たとえば議員立法などに懸けられる際、日本医学会の主張するものを提案していきたいと思っている。医療界が専門家集団として積極的に取り組まねばならない問題点としては、(1)警察への届け出のこと、(2)医療安全調査委員会の委員のこと、(3)医療安全調査委員会から捜査機関への通知のこと、(4)医療安全調査委員会の独立性などが挙げられる。これらについては、医療界が意見を提案していくものだと考えている。

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質疑応答

司会 門田委員長:診療関連死に関する作業部会が、現在一番重要な状況にあり、本日、参集いただいた理由もここにある。まず各学会の立場を述べていただき、日本医学会の立場をどのようにしていくかという二段階にしてご意見をいただきたい。

日本集中治療学会:診療関連死法案の枠組みは決まっていて、構想そのものの変更の可能性はないのか。すなわち警察に通知することは変わらないのか。
山口作業部会長:基本的には医療安全調査委員会を創設することは、変わらないと思う。医療安全調査委員会の判断した上で警察に通知することを断ち切ると、警察は独自に動いていくことになろうし、医師法21条から診療関連死を除くことは難しい。委員会の判断で通知するのなら、警察は待ち、それを尊重して警察としては動かない。
日本集中治療学会:警察審議会などの警察には警察のチェック機構があるので、警察の怠慢であると批判されないだろうか。
山口作業部会長:国会の答弁でもされているが、遺族から告訴されても待つと表明している。鹿児島で法務省刑事課長が講演された際にもそのように発言しており、文書でも残っている。なお、警察が待つことについては、法案化された際には、再度、確認をとることが大切だと思っている。
門田委員長:司法の立場よりもあくまでも医学会のプロフェッショナルとしての立場で意見をまとめたい。
日本消化器病学会:運用の際に漠然とした不安があるので、運用面をある程度、明らかにしていただきたい。
山口作業部会長:届出範囲についてのガイドラインというと語弊があるが、基本的な考え方について、たとえば、投薬の間違い、投与ルートの間違い、投与期間の間違いなど具体的な内容を示せればと思う。今後、各学会の意見を聴きながら、今年の暮れ頃までに、なんらかの形で示したい。個々の判断は、制度ができた際に、コアの委員会で判断することになろうが、まず日本医学会でまとめていきたいと思う。
日本周産期・新生児医学会:その意見には賛成する。作業の進め方としては、今まで各学会が挙げている重要な問題点を下に、まず本作業部会が、日本医学会の案を作成し、それを各学会に提示して意見をもらうようにすれば早くできると思う。
日本循環器学会:大綱案には調査委員会の役割が明記されているが、実際に動かすとなると、費用の面を考慮しなければならない。予算規模をどのように考えているのか。
山口作業部会長:モデル事業では、1例について、100万円くらいかかるが、委員等の参加はボランティア的に行われている。厚生労働省も予算付については、明言していないので、費用がいることを強く求めていくことしかない。
日本小児外科学会:過失責任としての、過失致死罪はなくなるのか。
山口作業部会長:業務上過失致死罪から診療関連死を除くというのが医師の望みだが、医療だけを除くことは現状では難しいと考える。故意、重大な過失、リピーター、カルテの改竄などは刑事訴追を受けてもやむを得ないと考えるが、重大な過失をどのように規定したらよいのか医学界として意見をまとめる必要があるのではないか。
日本内科学会:「診療関連死の死因究明制度創設に係る公開討論会」にも参加したが、皆様の論点がすれ違っている。このシステムのどこを議論しているかのスキームが描かれてないままに、それぞれが正論を話している。システムの出口として警察届出があるが、果たしてそれが真の出口なのか。検察側の起訴を止められるかどうかがもう一つの出口ではなかろうか。警察通知をどうするかという話と業務上過失で起訴される対象の論点を整理していただきたい。また入り口が真相解明なのか、紛争防止なのかは、どちらとも言えない。刑事介入の防止ということも目的にあるのではないか、もう少し論点整理したほうがよい。
日本集中治療学会:厚生労働省の検討会は、医療の安全を確保し医療の質を高める委員会と思っていたので、警察への通知、刑事告発はそもそもないものと考えていたが、厚生労働省のねらいは事故調停とか紛争防止が目的と思う。医療の安全を高めるにはどうすればよいかの方法はなかなか出てこない。出口としての、安全対策は小さくなっている。医療安全は、社会的目的であるので将来的には行っていくべきと思う。
門田委員長:医療安全と医療関連死とは一緒に議論しないで、ひとまず別にした。また一緒に議論していくだけの時間的余裕がなかった。当然やるべきこととは思っている。
日本心臓血管外科学会:厚生労働省の「医療行為に関連した死亡に係る死因究明の在り方に関する検討会」の委員だが、 本検討会は医師法21条のなかで医療が抑圧されているものを何とか解決しなければと、大野病院事件から始まった。カルテの改竄等の刑事免責はあり得ない。国民の信頼を回復することが大きな目的である。その視点を大切にしなくてはと思っている。
門田委員長:今後のスケジュールとしては、国会の動きを見ながら、半年くらい先にピークに持っていこうと考えている。本会で基本的なものを作成した案を、各学会から意見をいただきながら、 来年2月、3月頃にまとめたい。
日本内視鏡外科学会:迅速性が必要なので、先に出ている各学会からのアンケートを日本医学会がまとめていただいて、各学会とやりとりするのが第一だと思う。その後に日本医学会が中立機関にどのように係わっていくのか、また我々の提言が本当に遂行されているのか、日本医学会がそれをどこまでフォローするとか、そこまで踏み込んだ意見を出していただきたい。
門田委員長:国民の医療不信が、バックグランドにある。その不信を払拭することを考えなければならない。日本医学会全体として自浄作用の出来る仕組みを並行して導入しなければならない。

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6.専門医制に関する作業部会の報告

(八木作業部会長)

 本作業部会は、日本医学会と日本専門医制評価・認定機構とが半ば合同の形で進めていく。委員は7名のうち、機構から2名参加している。
  作業部会の検討事項として、(1)専門医・認定医を初期臨床研修とのつながりの上でどのように考えるか、(2)専門医広告資格の外形基準の内容を今後どうするか、(3)診療報酬上に専門医制をどのように反映していくか、(4)日本専門医制審議会規則の明確化、などのテーマが示され、第1回専門医制に関する作業部会(平成20年9月24日開催)において、フリーディスカッションを行った。
  今後の専門医を考える際に、専門医の研修プログラムが実施されているかどうかのチェックをしていくことの重要性が挙げられた。また、日本医師会が検討している「地域医療、保健、福祉を担う幅広い能力を有する医師の養成を目的にした認定医制などについて」の今後の状況の情報交換もしていく必要がある。日本における専門医の認識がいまだ明確にされていないが、各学会の状況も考慮し、専門医のイメージ・意味の統一なども検討していくことの重要性が挙げられた。

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質疑応答

司会 門田委員長:各学会で専門医制が敷かれているが、解決していない問題が多くあるので、日本医学会として本来あるべき姿を国民に示し、日本専門医制評価・認定機構とともに国民が求めるものは何かを早く定着させる必要があると思う。

日本癌治療学会:基本領域学会、Subspecialty学会、さらに狭い領域の学会のすべてが、同じ専門医ということも甚だ理解できない。これを整理しないと今後の議論が進まないのではないのか。
八木作業部会長:かつて平成14年4月1日に厚生労働省が「広告することができる専門性資格」を通知したことで、認定医が総て専門医に移行した事情があるが、まず専門医が何であるかを明確にすることが第一義と考えている。なお、日本専門医制評価・認定機構から出された「専門医の区分(案)」が、混乱を招いたので、新体制になった機構で修正をしていくようである。ここは機構として答える場ではないので、個人的意見としたい。
日本癌治療学会:先般、厚生労働省に要望書(平成20年9月10日付)が出され、各学会の条件の違う専門医を評価すると言うことだが、評価する基準を先に作成していただきたい。
池田委員:日本専門医制評価・認定機構の理事長だが、ご意見はそのとおりと思う。日本の専門医の役割分担を見える形にしなければと考えている。それには患者の視点に立って分かりやすい仕組みにしなければと思う。そこをはっきりさせてから、それぞれの専門医制度を評価していくものと考えている。中立的第三者機関として、整理をしていくことが必要と思っているので、ご協力いただきたい。
日本心臓血管外科学会:要望書を提出したのは、機構の理事会決定だけで、総会を経ていないので、要望書には反対する。
八木作業部会長:要望書については機構が関与しているのは、事実だが、趣旨としては、機構が認定をさせないということではない。専門性資格の広告は国民が混乱するのでと、厚生労働省に意見を出しても外形基準に沿っているとのことで、届け出が受理されていた。国民が混乱しないようにすることが、機構ならびに日本専門医制審議会の役割と思うので、そのようにしてほしいと要望した。
門田委員長:各学会の外形基準に基づく専門性資格の広告緩和を見直す必要があるのではないかと思う。大切な話ではあるが、今は機構の会議ではないので、この話は一応これでおく。我が国の専門医制度は認定医制度からスタートして、日本医師会、日本医学会、学会認定医制協議会(当時)の三者承認という歴史があって、その後の広告緩和で混乱が続いているので、整理するのは、医師集団で行っていかなければならないと思う。

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7.公益法人に関する作業部会の報告

(池田作業部会長)

 平成20年2月20日開催の第75回定例評議員会終了後に、公益認定等委員会等担当の原山保人内閣審議官から「公益法人制度改革の概要」を聴講した。現在、公益法人は25,000位の団体があり、官から民へ移行するための制度改革が行われることになる。税制改革には寄附税制を緩和することが盛り込まれている。社団・財団が公益法人として申請するための要件には、なにが必要かということが「公益法人制度改革の概要」(行政改革推進本部事務局発行)に明記されている。また、公益認定等委員会では、「移行認定または移行認可の申請に当たって定款の変更の案を作成するに際し特に留意すべき事項について(案)」を作成している。申請の際の定款作成のガイドラインであるので、参考にしていただきたい。また、国税庁では「新たな公益法人関係税制の手引」が出され、あらたな公益法人改正にともなう税制が整備され、法人の税制区分が示されている。一般社団、一般財団に申請は登記だけでよいが、法人であっても非営利型法人・共益的活動する法人は、今までの公益法人と同様の税法上の扱いになる。一般社団、一般財団のうち、共益的活動を目的とする法人として、1.会員に共通する利益を図る活動を行うことを目的とする。2.定款に会費の定めがある。3.主たる事業として収益事業を行っていないなど。また非営利性が徹底された法人として、1.剰余金の分配を行わないことを定款に定めていること、2.解散したときは、残余財産を国や一定の公共的な団体に贈与することを定款に定めていることなど、とある場合は、非営利型法人と扱われる。
  平成20年12月から公益法人の申請を受け付けることになるが、申請の是非については、各学会で考えてほしい。また平成20年12月から5年間が移行期間であるが、新しい法人になるまでは、従来の財団法人・社団法人は、自動的に特例民法法人になって、これまでの主務官庁の指導を受ける。移行期間に公益社団法人、公益財団法人、一般社団法人、一般財団法人のどちらかに決めていただきたい。なお、5年間に申請しないと解散ということになる。
  公益法人化すると各学会にどれくらいのメリットがあるかというと、公益法人になるとコンプライアンスの強化が求められる。また役員の責任が重くなる。例えば常勤の役員も必要になることもある。事務態勢は3年に1回会計の定期検査があり、また随時立ち入り会計検査があるので、対処できる事務局を置かなければならない。会計が不備な場合は、法人の資格を失うことになる。非営利型は収益事業にはならない。 5年間の移行措置があるので、状況を見ながら各学会で判断していただきたい。

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8.その他

日本輸血・細胞治療学会:最近の医療崩壊の議論のなかで、厚生労働省医政局と文部科学省高等教育局の両省が関与して「臨床研修制度の在り方に関する検討会」において、大学病院の在り方についての検討が始められたと聞いているが、医師の養成について日本医学会として検討する必要があると思う。また、日本医学会運営委員会における活動を要約して各学会に提供の上、各学会からの意見を集約していただきたい。

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9.閉会挨拶

(髙久日本医学会長)

 診療関連死に関する作業部会の報告があったが、もともと日本法医学会が作成したガイドラインの中で、異状死を診療関連死とし、それを厚生労働省が全国の国立病院に診療関連死を届け出るように通達したことが現在の混乱になった。それを収拾するためには、第三者機関を設立せざるを得ないと思う。設立すると学会への負担も大きくなると思うが、さりとて、警察が勝手に動くと、このシステムが崩壊する可能性もあるので、我々は運営に協力するとともに注意深くフォローもする必要があると思っている。
  専門医制に関する作業部会については、我々の問題であるので、メディアの方、一般の方に分かりやすい形に改めていく必要がある。
  公益法人は池田作業部会長が話したとおりである。
  なお、医学生の増員、大学病院の在り方、初期・後期研修制度については、政治的ペースで進んでいる点もあるので、どういうふうに日本医学会が活動していくのか、特に定員の増員については、大学、医学会に関連ある問題なので、政治に引きずられることなく対処していく必要がある。
  今後、運営委員会の内容については、ホームページを通して皆様方にお知らせしたい。