研究倫理教育研修会

戻る

議事要旨

第2回研究倫理教育研修会

産学連携の健全化と利益相反管理

曽根 三郎(徳島大学名誉教授/徳島市病院事業管理者)

 臨床研究の推進には産学連携が欠かせない。臨床研究は医薬品の有効性と有害事象の検証、費用対効果の比較評価が可能となることから、患者のケアや治療の最適化を推奨するための診療ガイドライン(CPG)の策定に役立っている。一方、販売促進の絡みから企業の関心は極めて高く、CPG策定の根拠となる臨床研究の実施から論文公表、さらには広報の過程で企業が深く関わりやすい。臨床研究に取り組む研究者も企業などとの金銭的な関係が強く、trial bias(企業に不利な研究は実施しない)、publication bias(不利な結果は発表しない)またはreporting bias(有効性は過大評価され、副作用は過小評価)が発生しやすい。
 信頼性の高いCPG策定には、当該参加者と学会組織が利益相反を開示・公開するだけでなく、CPG策定にかかわる参加者の資格基準を明確にし、バイアスリスクを回避するためのマネージメントが求められる。日本医学会から、CPG策定に参加する者の資格基準に関するガイダンス案を提案する。

スライド資料(PDF/4.83MB)