近年、基礎研究と臨床研究で、研究倫理に問題がある事例が明らかになり、社会的にも問題となっているが、医学系学会では、このような研究倫理問題に対して社会的な説明責任があると考える。日本学術会議「科学研究における健全性の向上に関する検討委員会」の提言「研究活動における不正の防止策と事後措置-科学の健全性向上のために-」(平成25年)では、「学会連合などの科学者コミュニティは、専門家集団として職業倫理規程の制定と倫理意識の普及に努めなければならない。」と提言されている。
そこで、日本医学会連合では、学会レベルで、研究倫理の問題が起こらないようにするために、また、万が一問題が起こった場合に迅速かつ適切に対応できるようにするために、平成26年に「研究倫理委員会」を発足させた。そして、日本医学会分科会全体で、研究倫理のあり方、研究不正の問題の予防と発生時の対応について情報を共有し、各分科会会員の教育啓発に活かしていただくために、平成27年度から、日本医学会連合研究倫理委員会、日本医学雑誌編集者組織委員会、日本医学会利益相反委員会合同で、「研究倫理教育研修会」を開催することを決定した。第1回研究倫理教育研修会「医学研究倫理を考える」では、日本医学会分科会の倫理委員会委員長を中心にお集まりいただき、医学研究倫理について広く議論することにした。
これまでに第8回まで開催されているが、第6回のみ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため、直前で不開催となった。
この研修会の資料を参考にして、各分科会においても医学研究倫理に関する教育・研修を強化していただきたいと考えている。なお、平成30年度から、日本医学会連合診療ガイドライン検討委員会も参加することとなり、令和6年度からは、日本医学会連合利益相反委員会も参加することとなった。
テーマ:「変貌を遂げる研究倫理の意味合いとその啓発」
日時:2024年5月7日(火曜日)13:00~16:40(現地開催)
場所:日本医師会館 大講堂
出席者:出席者名簿(敬称略)
対象:日本医学会分科会の倫理委員会、診療ガイドライン検討委員会、編集委員会、利益相反委員会の代表者またはそれに準ずる者(1分科会5名以内)
主催:日本医学会連合研究倫理委員会、日本医学会連合診療ガイドライン検討委員会、日本医学会連合利益相反委員会、日本医学雑誌編集者組織委員会、日本医学会利益相反委員会
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座長:市川家國(日本医学会連合研究倫理委員会委員長)
南学正臣 (日本医学会連合診療ガイドライン検討委員会委員長)
北村 聖(日本医学雑誌編集者組織委員会委員長)
土岐祐一郎(日本医学会連合・日本医学会利益相反委員会委員長)