
大網毅彦(千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学講師)
診療ガイドライン作成においてシステマティックレビューは不可欠であるが、特に文献スクリーニングの作業負担が大きな課題となっている。日本版敗血症診療ガイドライン2024特別委員会では、半自動化ソフト(ASReview)と生成AI(GPT-4)を用いた文献スクリーニング作業の精度と負担軽減効果を検証した。その結果、ASReviewは臨床疑問に関する文献を高精度に抽出しつつ、従来法と比べて作業時間を約90%短縮した。
またGPT-4を用いたスクリーニングにおいても、許容範囲内の感度と高い特異度、作業時間の短縮が確認された。特に修正プロンプトを用いた場合に感度の向上が得られた。これらの結果から、文献スクリーニングの自動化におけるAIの有用性が示唆された。今後さらなる精度向上を図ることで、AIを活用した持続可能かつ質の高いガイドライン作成への応用が期待される。
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