研究倫理教育研修会

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議事要旨

第9回研究倫理教育研修会

公的データベースの実像

中村健一(国立がん研究センター中央病院 臨床研究支援部門研究企画推進部部長)

 本発表では、臨床試験データベース(jRCT)および利益相反(COI)データベースに関する最新の取り組み状況について紹介した。jRCTは2018年に施行された臨床研究法に対応する公的データベースとして整備されたが、研究者にとっては変更申請の煩雑さ、患者にとっては検索画面や情報表示の使いにくさ、企業側からは情報の二次利用の制約など、多方面から課題が指摘されてきた。これを受け、ユーザーインターフェース改善、患者向け資料掲載、変更手続きの簡素化を中心としたjRCTの抜本的かつ大規模な改修が進行中である。
 一方、COI管理においては、現在の自己申告ベースかつ煩雑な事実確認作業が問題視されている。諸外国の事例も参考に、公的なCOIデータベースの構築が検討されており、これにより定期的な情報更新を行えば、研究毎に自らのCOI情報を自動出力することが可能となり、中央審査の効率化にもつながると期待される。

スライド資料(PDF/1.98MB)