研究倫理教育研修会

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議事要旨

第4回研究倫理教育研修会

論文発表を前提とした臨床研究とCOI管理

曽根三郎(徳島大学名誉教授/徳島市病院事業管理者)

 臨床研究を実施する場合、その成果の公表は研究者の社会的責務といえる。しかし、企業が関わるとバイアスリスクや時に不正事件が発生し、それらの多くは研究資金提供者の役割や関与の詳細が公開されていなかったことに起因している。そのため、企業資金(契約による支援金、寄附金)を受け入れて実施される臨床研究を対象に、臨床研究法が2018年4月より施行された。
 研究代表者は利益相反(COI)管理基準や管理計画が義務付けられており、研究資金が特定企業から間接、直接を問わず提供されれば、契約に記載された企業の関与や介入の詳細な情報を研究実施計画書やIC文書内に明確に記載しなければならない。留意点としては、医学雑誌編集者国際中央委員会ICMJEが推奨する記載法(Contributors、謝辞、資金提供者の役割などの詳細な情報)が公開されており、論文公表を前提に、実施する臨床研究の質だけでなく信頼性確保という視点からも適切に対応していかなければならない。

スライド資料(PDF/2.37MB)