研究倫理教育研修会

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議事要旨

第5回研究倫理教育研修会

分科会アンケート調査から見たCOI管理の問題点と今後の課題

土岐祐一郎(大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学教授)

 日本医学会利益相反委員会は2018年8月~9月に129分科会に、1)分科会及び学術集会におけるCOIマネージメント、2)学術雑誌におけるCOIマネージメントについてアンケート調査を行なったので、その結果を報告する。
1)分科会役員等のCOI開示:学会役員の中でもガイドライン作成委員は講演料などで管理が必要となるケースが散見された。今後、外部から不適切開示の指摘が増える可能性があり、ガイドライン作成委員のCOI管理体制を強化する必要がある。
2)学会発表時スライドによるCOI開示:日本医学会ガイドラインに沿って適切な開示をすべきである。
3)分科会自身と学術集会には多くの組織的COIが存在するが、その開示・公開はあまり進んでおらず、今後の課題となっている。
4)学会雑誌発表においては我が国の事情を考慮しつつICMJEの共通formatの利用を促進する必要がある。また、組織COI開示を含め、研究倫理研修の必修化と単位化が必要である。
 最後に、我が国の臨床研究の衰退は深刻である。適切なCOI管理のもと健全な産学連携を推進し、今後一層の研究活性化が求められている。

スライド資料(PDF/1.58MB)