研究倫理教育研修会

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議事要旨

第5回研究倫理教育研修会

診療ガイドラインのこれまで・これから

中山 健夫(京都大学大学院医学研究科健康情報学教授)

 根拠に基づく医療(EBM)はGuyattの提案から四半世紀が経過し、今日の医療の基本原則の一つとなった。EBMは臨床家の勘や経験ではなく科学的根拠(エビデンス)を最重視して行う医療と誤解される場合が多いが、本来は「臨床研究によるエビデンス、医療者の専門性・熟練と患者の価値観、状況・環境(個々の患者の臨床状況と、医療の行われる場の4要素を統合し、よりよい患者ケアのための意思決定を行うもの」である。EBMの考え方を応用した診療ガイドラインは「診療上の重要度の高い医療行為について、エビデンスのシステマティックレビューとその総体評価、益と害のバランスなどを考量し、最善の患者アウトカムを目指した推奨を提示することで、患者と医療者の意思決定を支援する文書」(日本医療機能評価機構Minds)とされる。
 本講演では診療ガイドラインを巡る国内外の動向を概観し、新たな臨床的意思決定の形としてShared Decision Making(SDM)を紹介した。

スライド資料(PDF/1.84MB)