研究倫理教育研修会

戻る

議事要旨

第5回研究倫理教育研修会

本邦における診療ガイドラインの在り方

南学 正臣(東京大学大学院医学系研究科腎臓内科学/内分泌病態学教授)

 ガイドラインにおける推奨は、害と益のバランスを顧慮してなされる。同じような疾患でも患者対象群によって違った結論になることがあり、学会間でのガイドラインに差異が出ることがある。またガイドラインを作るためのエビデンスがないフィールドもある。
 日本医学会連合ではガイドラインの現状把握のため、アンケート調査を行った。どの学会も他学会との協調を重視している。日本のエビデンスが非常に少ないとした学会は46%あった。ガイドラインを会員に限定せずに公開している学会は3/4だった。また出版とホームページでの公開に期間をおいている学会が半数あった。
 ガイドライン作成の作業が複雑化してきて高度になり学会の人的・経済的負担が大きいという見解が多くの学会から出され、その他に意図に反して訴訟等に利用されることがあって困る、行政から学会の承認を要求されるが困難な場合があり困る、などのコメントも出されている。
 日本医学会連合はガイドライン策定における学会間のより良い連携のためのメーリングリストを作ったので、ご活用いただきたい。

スライド資料(PDF/1.45MB)