研究倫理教育研修会

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議事要旨

第8回研究倫理教育研修会

責務相反の意味合いを一変させた研究セキュリティ問題

市川家國(日本医学会連合研究倫理委員会委員長)

 医生命科学系において再現性を最大限確保することは、この分野の発展の上で死活問題である。そのため、公的資金配分機関は、研究者間における積極的な生データ・方法・機材等のシェアリングを促してきた。最近に至り、公的資金を受けている研究者が、外国から同時に研究費や給与を得、国外の研究室を運営し、しかもそれらを隠蔽する事件が発覚した。このほか、公的資金申請審査内容が外国へネットを通じて流出したり、研究試料が持ち去られる事件も発生するなど、多くの不適切な外国の関りが問題視されるに至っている。
 そこで、米国の公的資金配分機関であるNSFおよびNIHは、知的財産権確保等の観点から、「不適切な外国の影響」を避ける手立ての必要性を研究機関に訴えるに至っており、これに関する具体的な指針ないし法律の発出も間近い。
 この問題は米国に限らず、各国共通の問題であり、研究者が個々に認識すべき対象であることから、そのための教材作りが始まっている。

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