研究倫理教育研修会

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議事要旨

第8回研究倫理教育研修会

質の高い診療ガイドライン作成のための組織作りと人材育成

西田 修(日本集中治療医学会前理事長)

 日本集中治療医学会では、近年、数多くの診療ガイドライン(CPG)を作成しその多くがMindsからの高い評価を受け普及している。この契機となったのが、日本版敗血症診療ガイドライン2016である。中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックGL推進班を組織し、相互査読制度・無記名投票制度、経済的・学術的COIの管理など積極的に行うなどの取り組みを行いCPGの質の担保と作業過程の透明化を図った。
 その後の、多くのCPGで同様の取り組みがなされ、人材育成が有機的に進み、作業の効率化、時間短縮、新しい試みもなされるようになった。ここで育った人材を核に、学会や施設の垣根を超えた活動のネットワークがその後急速に拡大し、CPG作成以外にも、多施設研究等でも活躍している。CPG普及の鍵は、的確なCQ(臨床的疑問)の設定、バイアスのかかっていない推奨、制作過程の透明化である。これらは人材育成のためにも重要であり、医療の向上と学会の発展に寄与するものと思われる。

スライド資料(PDF/5.00MB)