研究倫理教育研修会

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議事要旨

第8回研究倫理教育研修会

企業による主催・共催セミナーにおけるスライドチェックの問題

寺内康夫(日本医学会連合・日本医学会利益相反委員会副委員長/全国医学部長病院長会議臨床研究・利益相反検討委員会委員長)

 製薬企業主催・共催セミナーで使用が認められなかった事例を取り上げ、製薬企業が関わる講演会に関する規制について紹介した。こうした現状を全国医学部長病院長会議(AJMC)臨床研究・利益相反検討委員会が問題点を整理し、製薬協、厚生労働省担当部局と意見交換を行った。ここまでの経緯を振り返ると、関係者間での十分な協議が不足しており、今後、アカデミアと製薬業界の適切な関係構築の必要性が認識された。
 製薬企業が主催・共催する講演会は医療用医薬品の販売情報提供活動において行う広告又は広告に類する行為であることをアカデミアは理解する必要がある。しかしながら、講演会の目的は、医療用医薬品の適正使用を推進し、もって国民の保健衛生の向上を図ることであるので、アカデミアの立場としては、学術講演会の内容、スライドチェック、演者の表現方法について、アカデミアと製薬協・製薬企業間で協議を重ね、その内容を広くアカデミアに周知させる必要がある。製薬企業と依頼された演者・座長間での意思疎通が図れる環境整備を進める必要がある。さらに、厚生労働省の立場を理解したうえで、アカデミアから厚生労働省への働きかけも重要である。

スライド資料(PDF/3.38MB)