日本医学雑誌編集者会議 Japanese Association of Medical Journal Editors

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議事要旨

第1回日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)ならびにシンポジウム:設立総会

発足の経緯説明

北村 聖 組織委員会委員長(東京大学医学教育国際協力研究センター教授)

 発足の経緯を簡単に説明したい(背景)。 
 1978年にカナダのバンクーバーで引用文献の統一を目的として、13誌の医学雑誌編集者会議が開催され、その後、「医学雑誌編集者国際委員会」(International Committee of Medical Journal Editors:ICMJE)へと発展した。ICMJEは引用文献の書き方から始まり、論文全体、抄録、方法、二重投稿、データのねつ造あるいは改ざん、剽窃、出版倫理や臨床研究登録等の問題へとその関連範囲を広げてきている。ICMJEは毎年、「生物医学雑誌への投稿のための統一規定」(Uniform Requirements for Manuscripts Submitted to Biomedical Journals)を作成しているが、これに対応して、いくつかの国で医学雑誌編集者委員会・会議が結成されているという1つの背景がある。
 2つ目の背景として、WHOが各地域において情報をネットワーク化するプロジェクトGlobal Health Library(GHL)の活動の1つのGlobal Index Medicus(GIM)の開発がある。米国Index Medicusに収載されていない地域の雑誌情報を集合して、西太平洋地域版Index Medicusを作ろうという動きがあり、このデータベースはWPRIMと呼ばれている。
 日本でも国際的に流通する情報を持っている質の高い雑誌を選択し、WPRIMに収載したいとの要望を受けて、WPRIM国内委員会(WPRIMJ)会議において、JAMJE準備会が立ち上がった。2007年5月19日にWPRIMJ・JAMJE準備会主催の国際シンポジウムを開催したが、これをエポックメーキングとして、JAMJE準備会は日本医学会の下部組織であるJAMJE組織委員会へと発展し、本日の第1回日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)ならびにシンポジウムの開催へと至った。
 これに先立つ2008年5月4、5の両日には、韓国のソウルにおいてアジア太平洋12カ国が参加した編集者会議である「アジア太平洋医学雑誌編集者会議」(APAME)が設立されたが、JAMJE組織委員会委員数名と共に参加した。