日本医学会「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」の概要
新ガイドライン作成に至るまでの経緯
2009年10月26日に,日本医学会から日本人類遺伝学会倫理審議委員会に,遺伝医学関連10学会「遺伝学的検査に関するガイドライン」の見直しについての依頼状が届いた.日本人類遺伝学会倫理審議委員会,および同理事会は,遺伝学的検査に関係する学会の協力を求め,作成委員会を結成し,見直し作業を開始した.
作成委員会委員の構成
下記17学会から推薦された代表者
遺伝医学関連10学会
- 日本人類遺伝学会
- 日本遺伝カウンセリング学会
- 日本遺伝子診療学会
- 日本家族性腫瘍学会
- 日本産科婦人科学会
- 日本小児遺伝学会
- 日本先天異常学会
- 日本先天代謝異常学会
- 日本マス・スクリーニング学会
- 日本臨床検査医学会
独自のガイドラインを有する学会
- 日本循環器学会
- 日本神経学会
先進医療で遺伝学的検査を実施している領域の学会
- 日本皮膚科学会
- 日本耳鼻咽喉科学会
- 日本眼科学会
- 日本血液学会
- 日本糖尿病学会
その他の有識者
作成委員会の開催
- 作成準備委員会
2010年2月6日(土曜日)13:00-17:00,東京国際フォーラム - 第1回作成委員会
2010年4月11日(日曜日)13:30-17:00,東京女子医科大学 - 第2回作成委員会
2010年9月20日(月曜日)13:30-17:00,東京女子医科大学 - 第3回作成委員会
2010年12月12日(日曜日)13:30-17:00,東京女子医科大学
日本医学会「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」の特徴
- 医療の場において遺伝学的検査・診断を,その特性に留意した上で,適切かつ有効に実施するために必要な総論的事柄についてまとめた.(今後,各学会で作成されるガイドラインのアンブレラとしての役割が担えるように記載した.)
- 遺伝学的検査の留意点について,以下の5項目に分類して記載した.
1)すでに発症している患者の診断を目的として行われる遺伝学的検査
2)非発症保因者診断,発症前診断,出生前診断を目的に行われる遺伝学的検査
3)未成年者など同意能力がない者を対象とする遺伝学的検査
4)薬理遺伝学検査
5)多因子疾患の遺伝学的検査(易罹患性診断)
これらのうち,一般の診療の中で実施する機会が最も多いと考えられる 1)については,診療の流れの中での遺伝学的検査の位置づけが明確になるように記載した. - 個人遺伝情報の取扱いの原則について記載した.
- 遺伝カウンセリングの原則について記載した.
- 今後の課題として,担当する医師,医療機関,各医学会分科会のそれぞれに望まれる事柄を「おわりに」に記載した.
ガイドライン
日本語版 Japanese PDF(238KB)
English PDF(87KB)